勧誘電波

「もしもし」
「××様でいらっしゃいますか?」
「そうですけど、ご用件はなんでしょうか?」
「××様のお宅に何度もお伺いさせていただいてるのですが、いつもお留守でお忙しい方のようですので、電話でご連絡差し上げました。失礼ですが××さまは正社員としてお勤めになっている方ですよね」
「住所と電話番号、勤めてることまでどうして知ってるんですか?」
「こちらデベロッパーですので、不動産情報からわかるんです」
「ということは賃貸契約を結んだ不動産屋が情報を流してるんですか?」
「そういうことではなくてですね、私たちは不動産に住んでらっしゃる方の情報はわかるんです」
「登記もない人間の情報もわかるんですか?その情報源はなんですか」
「今はグローバルな社会なんですよ、ユビキタスってわかります?」
「そりゃ情報がひっぱれることはわかりますけど、じゃあ勝手に調べて利用してるということですね。」
バイオメトリクス認証ご存知ですか、今はそういう時代なんです。」
「そーいうことを聞いてるんじゃなくてなんで住所と電話番号を知ってるのかということを聞いてるんですけど。」
「グローバルでユビキタスが・・・」
「だから、どうやって調べたかってことを聞いてるんですけど!」
「今回はバイオメトリクスで調べました」
「(爆笑)へ〜、写真なり指紋なり私のデータがあるとこがあるんですね〜」
「私はそちらは専門じゃないので、てか仕事なんですよあなたほんとに正社員として働いてる方ですか?」
「これ以上、情報になることを教える必要があるんですか?」
「こっちにとっては重要なんですよ!あなた、正社員じゃないんじゃないですか?」
「そっちにとって重要なだけでしょ、どうせ正社員じゃなきゃローン組めないからとかそういう理由でしょ」
「そうですよ!仕事なんですよ、無駄な人に電話してる場合じゃないんですよ!あなた頭おかしいんじゃないですか!」
「う〜ん、少しおかしいかもね。まあ、そいうこと言ってて仕事なら時給もらえていいやね」
「時給?なに言ってるんですか!私は年俸1200万円でやらせてもらってますよ!」
「(爆笑)」
「なんなんですか、そんな態度、面と向かってとれるんですか?電話だからそんな態度なんですか?」
「そりゃまだある程度まともなとこは残ってますから面と向かっては言わないですよ」
「なんど行ってもいないから、まずは電話でと思っているのに、じゃあこれから直接行きますよ!」
「いや、あまりにそちらの言ってることがむちゃくちゃだから、きても話にならないしめんどくさいんでこないでください」
「こちらもむかつくんですよ!これからそちら行きますよ!」
「きて帰らないようでしたら、警察呼びますよ」
「ちゃんとあって説明させてもらいますよ!行きますから!」
「きちゃだめとはいいましたからね」

電波な電話にゃ電波で返す。年収1200万野郎こないかな〜わくわく。